AxiZ沖縄ブログ

エンジニア育成学校【AxiZ沖縄】のブログです。

義務教育でのプログラミング教育導入について

2020年から義務教育にプログラミング教育が導入されます。
今現在プログラミングの教育に携わっている身として 義務教育へのプログラミング教育の導入についての個人的な考えを書いてみます。

目的を見直すべき

個人的な意見として、プログラミングを導入することはよいと思っています。
ただし、導入する目的はよく考えるべき、と感じます。
文部科学省が発表しているプログラミング教育導入の目的は、
「プログラミング的思考」を身に付けさせることだそうです。

プログラミングをしている立場として、 プログラミング的思考と聞いてパッと思い浮かぶのは、論理的思考力です。
そして論理的思考能力を鍛えるのは何か、というと、算数・数学だと思っています。

そして、プログラミングを教えている立場として、 プログラミング言語は「国語」「数学」「英語」がきちんと身に付いていれば、 さほど苦労せずに身に付けることができると思っています。

だから、「プログラミング的思考」を育てるために プログラミングを導入する必要性はないと感じます。
そこに力を入れるくらいなら、
国語と数学を教えることにもっと力を注いでほしいです。

プログラミング教育を有効に活かすとするなら、以下の目的が良いと思います。

  • コンピュータがどんな仕組みで動いているかを教える(プログラミングを本気で学ぶときに大きなアドバンテージとなるはずです)
  • コンピュータに触れる機会を増やしてプログラミングに興味を持つ人を増やす
  • ITの技術を駆使して国語・数学などの既存のカリキュラムをもっと楽しい授業にする

このような目的でプログラミング教育を導入するなら、とても意味のあることだと思います。
今発表されている目的のままプログラミング教育を導入するのであれば、あまり意味はないように感じます。

問題解決力は鍛えられるか

プログラミングをしていると、論理的思考力のほかに、問題解決力も鍛えられます。
この部分を鍛えるには、
国語や数学よりもプログラミングの方が向いている気もします。
ただし、プログラミングをしていれば誰でも身に付くものでもないです。
プログラミングするときに必要な情報をネットや本から探してきて、 そのまま利用してプログラムを作る人もいます。
そういう人は、ネットで検索する能力は高くなりますが、問題解決力は向上しません。
問題解決力を鍛えるには、「どうすれば解決できるかを自分で考える」ことができることが前提にあります。
ここを育てるのが最も難しい部分だと思っています。
「自分で考える」という行動ができるようにするのが今の教育の最重要課題ではないでしょうか。